製造業の国内回帰;脱中国は日本人を豊かにするのか

11/29日経「中国輸出シェア、再び増勢」「今年最高ベース、世界経済“脱中国“遠く」

日経は中国からの輸出が増えることに否定的だ。曰く「輸入国のリスクを高める。日本では今春、コロナ禍で需要が急増したマスクや医療用具の不足が深刻になった」「製造業の国内回帰を促す国の補助事業には1760件もの応募が殺到した」と。

 

国内に必要な物資が行きわたるには二通りの方法がある。1.国内生産の比率を上げる、2.備蓄を増やす、である。1の例は、コメの国内生産である。これによって消費者は高いコメを食わされ、農民も十分な収入を得られていない。2の例は、石油備蓄である。これによって、ガソリンは中東が動乱で揺れ動くときでも、必要な時に妥当な価格でいくらでも手に入る。

現在の日中の人件費の差は、1:5ほどである。上策は、人件費の安い中国でマスクや医療用具を生産してもらって、日本は付加価値の高い商品・サービスに特化することである。万一の備えには、備蓄を充実することである。それによるコスト増はたいしたものではない。

アメリカはモノづくりに見切りをつけてIT大国に変身した。それを日本も見習うのだ。

 

マスクや医療用具を国内生産して、国民が貧しくなり中国が高付加価値生産の国になることを手助けするのは、本末転倒である。