キャッシュレス社会を唱える日経の議論への既視観

一日おきほどの間隔で日経はキャッシュレス社会の到来を唱えている。曰く銀行の維持コストに2兆円かかる、小売業は外人の売上を逸失している、と。銀行や小売の立場を肯定的に見れば、彼らはそれ以上の利益を得ているので、とやかく言われるのは余計なおせっかいである。彼らがお馬鹿さんだったら、今頃は廃業していただろう。

この官製キャンペーンを見ていると、最近の同じような事例を思い起こす。ビット・コインである。送金手数料が安くなるから有用だと主張していた。ビット・コインが通貨に相応しいかの議論をスルーするだけでなく、実際には送金コスト以外のコストが多く、とても有利とはいえない。フェイク情報で読者を誘導していた。その挙句が悪質業者の跋扈であった。日経は本件で大きな教訓を学んだはずだのに、また同じ誤りを繰り返そうとしている。それとも、政府の応援団にならなければならない事情があるのだろうか。