現金決済が多いのは便利な通貨がないから、消費者のせいではない

日経は消費者の現金決済が国際的に多いことを問題にしている。まるで政府の広報のようにキャンペーンを繰り広げる。
曰く「流通コストが8兆円かかる」「消費者に現金の安心感がなお根強い」「ATMが張り巡らされて消費者に利便性の問題がない」と。その結果、外国人観光客にはキャッシュレス決済が出来ないことで、1.2兆円の機会損失が生じているとの推算を示す。

消費者の現金選好を理由の一つに掲げるが、的外れだ。消費者だって好き好んで現金を持っているのではなく、それしかないから止むを得ず持っているに過ぎない。問題は、日銀や金融機関が消費者の利便性や現代社会の決済のあり方を配慮した新しい通貨や決済方法を提供してくれないことにある。8兆円の流通コストがかかっているなら、そこに大きなビジネスチャンスがあるだろう。

消費者を世界の大勢から遅れた愚か者のようにみなすのは愚民政策そのもので、何の対応も出来ていない日銀や金融機関に発破をかけるのが正論である。


4/10日経「キャッシュレス後進国に焦り」「経産省、税優遇や補助金案」「訪日客の消費減懸念」