東芝の再建 半導体の分社化は正当化できるか

東芝半導体事業の分社化によって企業存続を図る案を発表した。
1. 半導体事業を分社化し、持分の20%を外部に売却する。
2. 原子力事業の海外展開を縮小する。
3. 原子力事業の責任者である志賀重範会長が引責辞任する。

この案は東芝をなんとか存続させようとするもので、あるいは役員の地位保全を目指すもので、株主の立場に立った再建策とはいえない。不正会計問題で大きなダメージを受けたはずだが、それは教訓にはなっていなかったようだ。

1. 企業再生では付加価値を生み出す事業を残し、そうでない事業は切り捨てる。最も利益を生み出す半導体事業を切り売りするのは目先だけの悪い選択である。
2. 3.11を境に原子力事業を取り巻く環境は最悪でこれが回復するとは見込めない。海外からは撤退するのがまともな考えである。国内事業は、国に引き取ってもらうことを検討すべきだ。国は安全神話を信じ込ませていたのだからそれなりの責任はある。
3. 二度目の失態である。しかも今回のほうが重大で悪質な失態である。全取締役は辞任して、外部から経営者を招聘すべきである。