東芝の原発事業 WHで数千億円の損失

東芝が大変なことになっている。このままでは債務超過上場廃止もあり得る。不正会計問題は、本件を隠すための目くらましであったようにも思われる。

12/29/16 WSJ によれば、中国の原子力発電炉の建設が3年以上遅れていてそれに絡む損失だという。

1年前に買収したCB&I に関連する損失であるが、資産査定で気付かないというのは考えにくい。東芝は真相を公表できるかである。

企業統治もおかしい。指名委員会は、問題ありと見られていた原子力事業担当の副社長を会長に引き上げた。

Bloomberg
2015年10月28日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2015-10-27/--ig9y7wpa
東芝原子力事業子会社、米ウェスチングハ ウス・エレクトリック(WH)は米エンジニアリング会社CB&Iの原 発建設・関連総合サービス事業の買収で合意した。

CB&Iのウェブサイトに27日掲載された合意条件によると、WH はCB&I子会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスターを2 億2900万ドル(約275億円)で買収する。一部機器の引き渡しと、米国 での2件のプロジェクトの完了が前提となる。

東芝の2016年9月末の株主資本額は3632億円
WHグループと東芝連結それぞれで約8700万米ドル(当時の為替レートで約88億円)ののれん計上

CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について
2016/12/27
http://www.nikkei.com/article/DGXLRSP432335_X21C16A2000000/
コストの大幅な増加により資産価値が当初の想定を大幅に下回り、必要なのれんの計上額が当初想定の約87百万米ドルを超え、現時点で数十億米ドル規模(数千億円規模)となる可能性が生じました。

産経
2016/6/21
http://www.sankei.com/premium/news/160621/prm1606210001-n1.html
経営再建中の東芝が次期会長に志賀重範副社長を昇格させることに、疑問の声がわき上がっている。志賀氏は不正会計を招いた原因とされる米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の会長を務めた人物。それゆえ、役員責任調査委員会から関与者として認定されており、グレーな人物とみられているためだ。6月22日に開催される株主総会で社長と会長を刷新し、“新生東芝”をアピールしたいところだが、株主から人事に異論が噴き出る可能性がある。
(中略)
実はメディア関係者の間では、脛に傷を持つ志賀氏の昇格はないとみられていた。不正会計の原因を作ったとされるWHに深く関与していたためだ。昨年11月に発表した役員調査委員会の報告書で、善管注意義務違反は認定されなかったが、関与者として名前がしっかり挙がっていた。

12/29/16 WSJ 
http://www.wsj.com/asia
Chinese Nuclear-Plant Delays Illustrate Toshiba’s Challenges
A nuclear reactor being built by Westinghouse in China is at least three years behind schedule, offering clues to why parent Toshiba’s nuclear-power ambitions have led to billions of dollars in potential losses.

9/7/15 過年度決算の修正 http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150907_1.pdf 億円
工事進行基準 479
映像事業 61
パソコン事業 578
半導体事業 371
自主チェック 294
減損、減価償却 465
修正額合計 2,248