シャープの買収決着

偶発債務問題や業績見直しなどで1ヶ月ほどの交渉を経て、ようやく昨日契約調印が完了した。調印の内容は末尾の開示資料に示されている。

交渉内容は当事者でないと分からないが、外部からはっきり分かることをフォローすることにより本件が成功であったかどうかを判断することが出来る。

1. ホンハイの一株当り取得価格88円は割高か割安か。4/1終値は125円だった。時価から約30%のディスカウント。市場の評価が正しいとすればホンハイはスタートから大きなアドバンテージをもらったことになる。今後の株価の推移が気になるところである。市場は誤っているのかそれとも、市場は正しいけれどホンハイが交渉上手であったのかが今後明らかになる。
2. 産業革新機構がシャープと統合しようとしたジャパンディスプレイ(JDI)の将来。4/1の終値は214円だった。シャープが成功するとJDIの競争力は相対的に低下する。JDI自身の存亡が問われることもあろう。投機心の強い向きには、JDI売り、シャープ買いのポジションを持ちたいと思うかもしれない。今後1-2年の両社の動向に目が離せない。

Buy my Abenomics と日本への投資を呼びかけた安倍首相は度量の広いところを見せて、テリー氏に感謝状でも送るかな。

シャープ:(開示事項の経過・一部変更)第三者割当による新株式の発行
並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20160330/9t7b1b/140120160329445343.pdf