シャープの液晶買収提案、ホンハイ アップルに出資要請へ

シャープの液晶事業の行方がようやく表に出てきた。

9/21日経は、シャープが分社化する液晶事業会社の株式の過半数を取得。パネルの大口顧客である米アップル社にも出資を求め、3社で事業会社を運営したい考えだ、と報じる。

これはうまく行くと最強のトリオの結成になるかもしれない。
JDIの大株主である産業革新機構とも交渉しているとされるが、ホンハイとの交渉で良い条件を引き出すための当て馬だろう。未だに技術が海外流出すると主張する国粋主義者がいるが、価値連鎖を知らない妄言である。

最悪のケースは、時間だけが過ぎてシャープの液晶事業が雲散霧消して、そこにいた技術者がコンビニや介護に流れていくことだ。技術者がいる限り、仮にシャープが消滅しても、液晶事業のノウハウを身につけた技術者が新しい事業を立ち上げることができる。

コモディティ化したパネル事業の価値連鎖は、① 最終ユーザーに驚きを与える商品を提供する企画力、提案力、② 億以上のパネルを大量に、早く、安く提供できる供給力、③ それらを支える開発力、設計力である。

シャープには多分③は残されているのであろうか、①と②は欠けている。シャープには今回のトリオ構想で①と②を学ぶチャンスが与えられる。国内で自立することを考えていては、この学ぶ機会を放棄することになる。

今日の日経・経営の視点では、商社の海外発電事業の展開に関連して、「ただし、商社は発電所や港湾などの操業や保守の技術・人材を欠く。補うために国境にこだわらず、最適なプレーヤーと組む。これが成功の方程式だ」と指摘する。

もしJDIと組むことになれば、先は暗い。