東芝株主総会、不適切会計の発端説明 監視委が検査

東芝の不適切会計は2月12日に証券監視委から報告命令があったが、「当初は、当局から開示検査を受けていることの公表を控えるよう要請を受けていた」ために、公表は4月3日にずれ込んだ。

実に2ヶ月近く投資家は事情を知らされずに東芝株の売買を行っていたのである。欠陥株式の流通を、発行会社、取引所、規制当局は揃って黙認していたのである。直ちに公表するのは混乱を招くかもしれないが、それにしても2ヶ月は長すぎる。当然インサイダー取引もあったであろう。自己の投資判断で空売りをして儲けた投資家は、痛くもない腹を探られる。配当取りを目的に買った投資家は、無配と株価低落のダブルパンチだ。

公表日の4月3日というのも、期末3月31日を意識したようで気になる。

攻めの企業統治という勇ましい言葉の論理性はとっくに破綻している。投資家が安心して金を委ねられる市場でありたいものである。

東芝株主総会、不適切会計の発端説明 監視委が検査
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPKBN0P50DT20150625
[東京 25日 ロイター] - 不適切会計問題に揺れる東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は25日、東京都内で定時株主総会を開き、田中久雄社長が問題の発端について初めて説明し、証券取引等監視委員会の開示検査を受けていたことを明らかにした。

2月12日、証券監視委から金融商品取引法26条に基づく報告命令があり、インフラ関連事業の会計処理の開示検査を受けていたという。内部告発の有無については「存じ上げない。答える立場にない」と述べた。
(中略)
証券監視委の検査を受けて社内でチェックする中、一段の調査が必要だと判明したのが3月下旬。4月3日に不適切会計問題の存在を初めて公表し、
(中略)
田中社長によると、「当初は、当局から開示検査を受けていることの公表を控えるよう要請を受けていた」。