景気動向 危機感がない日経

今日の日経は、総選挙に向けた政策を評価するが、17年4月の消費再増税を強調するもので景気の現状には甘い見通ししか示していない。
一面「経済再生 政策で競え」
社説「成長・財政両立の新たな道筋示せ」
五面「揺らぐ財政健全化」「17年4月 確約も残る懸念」

ところがこれらの論調の基礎となる景気認識は、「だが、足元の景気指標は悲観一色ではない。鉱工業生産や小売販売には底入れの兆しがある。GDPを押し下げた在庫減少は今後の生産・出荷増につながる」と、一言でいえば希望的観測である。

問題は、Q4の景気指標がどうなるかである。これによっては歴年ベースではマイナス成長が確定する。Q4がマイナスだと、年度ベースでもマイナスの可能性が高まる。ひいては、14年度の税収は前年度比減ということもあり得る。

悪いニュースには事欠かない。
11/20日経「百貨店売上高 10月2.2%減」「減少幅拡大、衣料品が苦戦」。
また、11/20ロイターは、「貿易赤字(季節調整値)は前月比8.4%減だった」と報じる。10月になっても国内需要は回復していないようだ。

景気の現状は4月以降外部ショックがあって方向がぶれたのではなく、政策判断で間違った方向へ進んだための人為的景気低迷である。

間違った方向へ踏み出した時にそれを直すのは、出発点に戻ることである。確かに増税前にはそこそこの景気の状況だった。

日経は、景気の現状を検証して今すぐやらなければならないことと少し時間をかけてやることを区分して提言すべきである。そのことが17年4月の再増税を確かなものにする。
国破れて消費税あり、では国民は救われない。