シャープ、台湾・鴻海(ホンハイ)が出資「1割、筆頭株主に」「液晶パネル合弁」

3/28日経、シャープ、台湾・鴻海(ホンハイ)が出資「1割、筆頭株主に」「液晶パネル合弁」

この資本提携は成功するか。過去の事例を調べると前途は多難だ。


3/28のプレス・リリースの要約は末尾に掲げる。以下は、要約の要約。
三者割当増資:121百万株式(既存発行済株式に対し10.95%)を割当。
払込金額総額:669億円。@550
同時に堺市のパネル子会社の株式を鴻海オーナーへ譲渡。
譲渡株式数:1,320,000 株(46.48%)
譲渡後の株主構成(%):シャープ46.48、鴻海オーナー46.48、ソニー7.04
譲渡価格:660億円。@50,000


これまでの再建事例;

- 資本注入 対象企業 経営陣 ビジネス・モデル 結果
あり エルピーダ 継続 継続 ×
あり シャープ 継続 継続
なし NEC 継続 不明
なし ソニー 継続 不明
なし パナソニック 継続 不明
あり 日産 交代 変更
あり GM 交代 変更
なし GE 継続 変化
なし IBM 交代 変化

GEは再建事例には入らないが、企業の転換を図った成功事例として取り上げる。

(上記の表への注)
経営陣:
      継続、変わっているが同質
      交代、別のカルチャーの経営陣が入る
ビジネス・モデル:
  不明、いくらかは動きがあるが、目立った変更はない
  変更、コスト、調達面での変化がある
  変化、収益構造を変えてしまった


このように対比すると、シャープの再建策はエルピーダ形で、期待が持てない。NEC,ソニーパナソニックも現状維持が色濃くあり、要注意である。
経営陣を抜本的に入れ替え過去とのしがらみを断つのが必要条件、それにビジネスモデルを変化させる構想力があれば◎、少なくともコスト構造や調達を変更できる力があれば○ではないか。

3/28プレス・リリース
11.発行要項
(1) 募集株式の数 121,649,000 株(発行済株式総数1,110,699,887 株に対して10.95%)
(2)払込金額 1株につき550 円
(3) 払込金額の総額 66,906,950,000 円
(4) 増加する資本金の額 33,453,475,000 円
(5) 増加する資本準備金の額 33,453,475,000 円
(6) 募集又は割当方法
( 割当予定先及び
割当予定株数)
三者割当の方法による。
鴻海精密工業股份有限公司50,000,000 株、
鴻準精密工業股份有限公司8,029,000 株、
FOXCONN (FAR EAST) Limited 31,143,000 株
Q-Run Holdings Limited 32,477,000 株
(7)払込期間 平成24年5月31日から平成25 年3月26 日まで

1.株式譲渡する子会社の概要
(1) 名称 シャープディスプレイプロダクト株式会社
(2) 所在地 大阪府堺市堺区匠町1番地
(3) 代表者の役職・氏名 取締役社長 佐治 寛
(4) 事業内容 液晶パネル及び液晶モジュールの製造・販売
(5) 資本金 15,000 百万円
(6) 設立年月日 平成21 年4 月1 日
(7) 大株主及び持株比率
シャープ株式会社 92.96%
ソニー株式会社 7.04%
(8)
上場会社と当該会社
との間の関係
資本関係当社の連結子会社です。
人的関係当社から従業員2名が取締役として出向しております。
取引関係
当社及び関係会社は当該会社との間で、液晶パネル及び
液晶モジュールの調達等取引関係があります。
2.株式譲渡の相手先の概要
3.譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況
(1) 異動前の所有株式数
2,640,000 株
(議決権の数:2,640,000 個)
(所有割合 :92.96%)
(2) 譲渡株式数
1,320,000 株
(議決権の数:1,320,000 個)
(発行済株式数に対する割合:46.48%)
(譲渡価額 :66,000 百万円)
(3) 異動後の所有株式数
1,320,000 株
(議決権の数:1,320,000 個)
(所有割合 :46.48%)
(2) 株式譲渡期間 平成24年5月31日から平成25 年3月26 日まで