米ヤフー、アリババの残り保有株をスピンオフへ−株価上昇

 米ヤフーは、アリババの保有株を株主に配分することを決めた。日本ではまれなことであるが、欧米では使った資本の成果が生まれれば、それを株主に返すということが普通に行われる。
株主への配分とかROEとかを強調する日経は、この件ではおとなしい。株主第一を標榜するのであれば、ソフトバンクのアリババ持株を株主に割り当てるのは有力な手法である。最終的にそうならなくとしても、議論を提起する意義はある。

1/28ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIUU816S972M01.html
 (ブルームバーグ):米ヤフー は中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディング の残りの保有株全てについて、課税回避のスピンオフ計画を発表した。株主への現金還元を最大化するとともに、税負担を最小限に抑える。発表を受けてヤフーの株価は一時10%高となった。
27日の発表資料によると、ヤフーが保有するアリババ株は新たに登録された企業「スピンコ」に移管される。スピンコはヤフーが保有するアリババ株3億8400万株、400億ドル(約4兆7000億円)相当を全て保有する。スピンコの株式は既存のヤフー株主に分配され、別の公開会社となる。
マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は、投資会社スターボード・バリュー や他の投資家から、株主への現金還元や税金対策、大型買収の回避を求められてきた。ヤフー・ジャパンの株式を含むアジア資産は、ヤフーの企業価値をここ2年間支援するとともに、2012年に就任し業績てこ入れに取り組むメイヤーCEOを株主の圧力から守ってきた。今回、一つの資産分離計画が発表され、市場の焦点はメイヤーCEOが5年間停滞している売上高を回復できるかどうかに戻る見込みだ。
BGCパートナーズのアナリスト、コリン・ギリス氏はインタビューで「株主への対応という点ではかなり意味のある動きだ。株主は現金を獲得し、ヤフー経営陣は資金を使わないことを意味する」と述べた。