シャープ、鴻海に第三者割当増資 出資4890億円(66%)

本件で関心を持った一つは株式がどうなるかであった。
ところが、企業統治改革なんてはやすわりには、株式がどうなるかを報じたメディアはなかった。

考えられるのは三案あった。
1. 決算で赤字計上し債務超過とする(自己資本は1,600億円ほど)。100%減資をした後、ホンハイが全額出資する。
2. 第三者割当増資で必要資金を注入する。
3. 株主から株式を買い集める。

3は論外であるが、1の可能性が高いと見ていた。ところがシャープは上場維持を条件としていたようである。2/26日経は、シャープは上場廃止につながりうる追加取得を行わないことで合意したと伝える。ホンハイは日本国内での反発を考慮して合意したと思われる。

今度は3,500億円の偶発債務問題が生じ、買収交渉が1-2週延長されることになった。高橋社長は、中国へ飛んで郭董事長に事情を説明したが、気になるのは、「謝罪した」(2/27日経)と報じられていることである。これはシャープが意図的に情報を出さなかったということである。
まだ一波乱ありそうである。推移を見守りたい。

日経 シャープ、鴻海に第三者割当増資 出資4890億円
2016/2/25 14:00
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25HH9_V20C16A2000000/?n_cid=TPRN0004
経営再建中のシャープ(6753)が台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループに第三者割当増資を実施して、約4800億円を調達することが、シャープが同日に近畿財務局に提出した有価証券届出書で明らかになった。調達資金は液晶ディスプレーなどの技術開発や量産設備投資などに振り向ける。発行するのは普通株と種類株で普通株は1株118円で32億8195万株を割り当てる。申込期間は6月28日から9月5日まで。発行価格は普通株が1株118円、種類株が同1万1800円。

 第三者割当増資の引き受けによる鴻海グループの出資額は合計4890億円。種類株は普通株を対価とする取得条項付きで、行使された場合の鴻海グループの株式保有比率は71.1%になる。