ロシア、ポーランドとブルガリアへのガス供給を停止する

プーチン大統領は3月末、ルーブルでの天然ガス代金の支払いを義務付ける大統領令に署名していた。27日大統領報道官は、ルーブル決済に応じない国にはガス供給を停止すると述べた(4/27日経)。

 

問題は、日本にも影響するかである。

ロシアの発言を追うと、彼らは有言実行の国である。少しずつ実行し、状況に応じて、範囲を広げていく。ポーランドブルガリアは欧米連合の弱い環である。欧米追随の日本も弱い環である。狙われる可能性はある。

 

日本はどう対処すべきであるか。ルーブル決済に応じるか拒絶するか。岸田首相のなんでも欧米追随ならルーブル決済を拒絶して、ロシアからの天然ガス輸入(サハリン2)を禁止されそうである。だが以前に述べたようにサハリン2の権益を手放すのは、結局日本国民の負担によってロシア政府を支援することになって、本末転倒の結果になることを指摘した。

日本政府はサハリン2を維持する理屈を構想し、欧米の要請(ルーブル決済を行わない)を退けるのが正しい道筋である。

 

2022-03-26サハリン2からのLNG輸入を中止すべきか、ロシアを利する可能性(サハリン1にも該当)

サハリン2の輸入単価は10ドル/単位熱量である、他方、アジアでのスポット価格は一時60ドル/単位熱量まで高騰した。

仮に日本がサハリン2の分を全量スポットで調達すると、単純に計算すると、1.8兆円が追加コストになる(ママ、正確には1.5兆円)。21年のLNG輸入総額は、4.3兆円、うちサハリン2は0.3兆円であった。0.3兆円が1.8兆円になり、これが消費者に転嫁される。