2021年実質経済成長率1.7%に留まる(20年-4.7%)

 

海外では、日本を大きく上回る、

アメリカ 5.7%

EU    5.2%

UK    7.5%

中国   8.1%

これら各国は、コロナ感染検査を徹底したことが共通する。

 

日本の感染検査が少ないことを小林慶一郎・慶大教授は2/15日経経済教室「国民と政府 対等な政策論を」で指摘する。小林教授は新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーであるので、内情に詳しい。

経済成長の低迷と抑圧的なコロナ検査に因果関係があることを小林教授は示唆する。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD012FZ0R00C22A2000000/?unlock=1

曰く、「同じタイプの失敗(不良債権処理の件)と思われるのが、新型コロナウイルス流行下で続いたPCRなどの感染症検査に対する抑制的な対応である。

 

医療政策や公衆衛生の政策当局者は、感染者を効率的に発見して治療につなげることが感染症検査の役割なので、なるべく感染者を発見できる確率の高い対象者(濃厚接触者など)に検査対象を限定すべきだと考える。この立場からは、無症状の一般市民にランダムに検査しても、感染者を発見する確率は低いので、検査の時間と資源の無駄遣いだ、という判断になる。これが、検査対象を絞り込み、検査件数も抑制するという政策につながった。

 

結果、国民は検査が少ないことによって「誰が感染しているか分からない」という相互不信にさいなまれ、社会経済活動の必要以上の収縮が起きたと考えられる。国民の思考過程を推し量ることを政策当局が軽視したために、感染症検査の抑制がもたらす社会経済的コストが過小評価された。

 

もっとも、国民の不安解消という社会経済的機能は、感染症検査の本来の機能ではない。感染症検査が事実上、経済政策として機能したために、政策判断が混乱した不幸な出来事だったともいえる。

 

オミクロン型の流行下ではワクチンの感染予防効果が小さいので、当面は、検査陰性を条件に就業や行動制限を緩和し、社会経済活動と感染症対策の両立を目指すしかない。コロナ禍の当初から検査体制の拡大が課題だったが、あらためて検査拡大が重要な政策課題として浮上している。政策当局が倫理的不整合に陥らず、合理性すなわち「国民の思考を推し量る力」を持って政策を決定することが求められている。」