賃金改善の兆しが見えてきた 時給1,800円への道

人手不足で居酒屋のアルバイトの時給が上昇している。日経は人手不足の理由を緊急事態宣言前に人手が流出したことを挙げているが、それに加え海外留学生の入国が止まっていることを挙げる。

外国人技能実習制度は過酷な労働条件で日本の評判を落としているだけでなく、国内の労働者の賃金を引き下げている。助かるのは、実習生を雇用する企業だけだ。

外国人技能実習制度は廃止し、日本人並みの賃金を払う特定技能制度に移行すべきであろう。

個々の企業が人件費を削減して、黒字化するのは、個々の企業には良いことかもしれない。だが、合成の誤謬で全体としては賃金を引き下げ、消費を低迷させる。合成の誤謬を是正できるのは政府である。岸田内閣に期待する所以である。

一部でインフレを警戒する向き(財政再建派)がいるが、山を登り始めたばかりで下りを心配するようなものである。心配する順序が逆である。今は景気浮揚が最優先である。

 

12/26日経《 バイト時給1800円も 都心の居酒屋、人手争奪戦:  外国人の入国停止響く》

 年末年始の需要期にある居酒屋がアルバイト確保を急いでいる。新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除に伴う営業再開で各社は配膳などを担うアルバイトの採用を増やすが、解除前に人材が流出した影響が大きく十分に確保できていない。時給を引き上げる動きが相次ぎ、東京都心では夜間時給が1800円台に上昇する例も出ている。

 

12/29大機小機「物価上昇の足音が聞こえる」隅田川

このコラムは、物価上昇を指摘するが、それが日本経済に良いことなのか悪いことなのかを示さない。筆者には、自明のことなんだろう。国債金利が上昇して財政悪化に拍車をかける、と。