緊急事態宣言が発令される 効果はあるのか

1/8日経「対象;一都三県」「期間は1/8から2/7」「解除にはステージ4脱却」「8時以降の行動自粛要請」「飲食店:午後8時以降の営業時間短縮を要請」と伝える。

政府の認識は次のようだ。

菅首相は4日の年頭会見で、経路不明の感染の多くは飲食が原因だと指摘し、「飲食の感染リスク軽減を実効的なものとするため、早急に内容を詰める」と述べた(1/5産経社説)。

 

政府の認識には、前回の緊急事態宣言(4/7-5/25/20)の成功体験があるようだ。

確かに全国の感染者数は、劇的に減少した(4/11 720から5/27 35)。今回は1/7 7,570の過去最高を記録している。下記のヤフーのグラフを参照。

 

だが飲食だけを犯人と決めつけるのは、正しいのか。それは仮説にすぎない。菅首相自身が「経路不明」と認めているのだから、特定できていない。

「ワクチンは2月末から接種」と述べているが、すぐに効果が出るのか。アメリカ、イギリスで接種が始まったが、出足はスムースではなく、感染者は増え続けている。

 

政府の認識で、意図的に触れていないように思えるのは、気温と乾燥である。前回の宣言は春から初夏に向かう気温上昇の湿潤な時期であった。今回は、2月初旬まで気温が低下し、乾燥状態が続く。

飲食の営業時間を短縮しても効果がなければ、飲食業は濡れ衣を着せられただけで、営業妨害になる。ひいては、菅首相指導力に疑問が持たれ、政治的な打撃になろう。

気温と乾燥が大きな要因であれば、あまり効果的な手段はないだろう。来年の冬の第4波もあり得ることになる。希望的な言動によってあたかも短期に収束するようなイメージを持たせるのはその場しのぎの言葉のお遊びにすぎない。希望的観測に望みを託すのではなく現状を率直に訴えるのが支持されるのではないか。

菅首相の「新型コロナウイルス対策と社会経済活動の両立を図っていく」方針は、どちらにもとれるトリッキーな表現だった。私はてっきりコロナ対策に力を入れると思ったのだが、そうではなかった。この国では政治家の言葉は裏があり過ぎて、うのみにはできない。

 

緊急事態宣言発令の影響

 

月日

東京

全国(注)

1

1/7木 発令前日

2,447

7,570

2

1/21金 2週間後

3

2/7日 最終日

4

2/21日 2週間後

(注)日経朝刊に記載された「国内での確認」。

 

(グラフ)ヤフー 新型コロナウイルス感染症まとめ 国内の発生の状況 

2021年1月7日 23時55分更新

https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207