安倍首相 8/28辞任表明 またしても体調不良

8/24歴代首相の連続在任日数 2,799日で佐藤栄作(2,798日)を抜く。

安倍晋三首相の通算在任日数は19年11月19日、戦前の桂太郎と並び憲政史上最長の2,886日となった。

 

記録更新後にあっさり政権を投げ出したのは、政権維持の目的が(通算及び連続)期間の更新であったことが推測される。長きを以って貴しとするである。

 

コロナ対策が拙かったのか

海外との比較では、日本は大成功であった。同じ島国の英国では、感染者332千名、死者41千名。評価の高いメルケル首相の下のドイツでは、感染者240千名、死者9千名(共に8/28)。日本以下なのは、島国台湾の感染者487名、死者7名(8/25)。お隣の韓国の感染者19,077名、死者316名(8/28)であった。

これに対し、日本は感染者67,264人、死者1,273人(8/28)であった。

台湾、韓国に見劣りするものの、英独に比べると優秀な成績だ。

 

ところが、世間では日本の対策は遅れていていると評価され、安倍首相自らが「最大の課題である新型コロナウイルス対応に障害が生じるようなことは避けなければならない。悩みに悩んだが、7月以降の感染拡大が減少傾向へ転じ、冬を見据えた対策を取りまとめた。新体制に移行するのであれば、このタイミングしかないと判断した」と弱気な姿勢である。

「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示した」と述べた(5/25緊急事態宣言の全国解除)のとは様変わりである。

 

「日本モデル」とは無意味な言葉だったのか。日本モデルに確信を持っていたなら、日本モデルを力強く推進しますと宣言できたはずだ。

 

期待・実態ギャップ

安倍首相は、これまでコロナに対し楽観的な見方をばらまいてきた。

だがその見方は、次第に後退している。

・ANNNews安倍総理 東京五輪「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証しとして、完全な形で実現することにG7の支持を得た」~G7首脳緊急テレビ会議後会見(20/03/17)

・AviationWire 安倍晋三首相は3月24日夜、東京オリンピックパラリンピックの開催を1年程度延期することでIOC国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と合意したことを明らかにした。遅くとも2021年夏までに開催を目指す。

・News24 2020/05/29 - 新型コロナウイルスに関連した国連のハイレベル会合に、日本の安倍首相がビデオメッセージを寄せ、「人類が打ち勝った証として来年の東京五輪を完全な形で開催する決意だ」などと述べました。

・JIJI.COM 安倍晋三首相は(6月)18日の記者会見で、来夏に延期された東京五輪パラリンピックを「簡素な大会」にするとした国際オリンピック委員会(IOC)の方針について、「まさにオリンピックの原点に戻った大会にしていこうということだと理解している」と述べた。その上で「完全な形で実施するため1年程度延期するという(自分の)意に沿ったもので、現在もその方針に変わりはない」と語り、大会の簡素化は自身が唱える「完全な形」での開催と矛盾しないとの認識を示した。

・8/29日経社説 安倍首相は通常国会の閉幕翌日の6月18日以降、辞意表明までの間、首相官邸での記者会見を一度も開いていない。

 

3月ごろには、すぐにも収束する見通しだったのが、次第に容易ならざることを悟ったようだ。1年延期を決めたのが後退への1歩である。更に簡素な大会になり、6/18以降には無理であることを認識したのではないだろうか。

 

立つ鳥跡を濁さず

安倍首相は辞意を表明したが、9月中旬まではその職にある。その間に次の後継者が課題に専念できるように、大会の返上をすべきであろう。

 

コロナに負けた首相

安倍首相は先進国では、コロナに退陣させられた最初の首相である。その次が、おそらくトランプ大統領。三番目が安倍首相の後継者である日本の首相でないことを祈る。