ユニゾがEBO実施 取締役会の判断は妥当か

買収で揺れていたユニゾが、わが国初となるEBO で決着することになる(12/23日経夕刊)。

ユニゾに対し、今年7月にHISが敵対的TOBを仕掛けた。@3,100で、当時の6ヶ月平均市場価格@2,002の54%増しであった。

 

その後、米投資ファンド・フォートレスIG(ホワイト・ナイト)が、@4,100で買収を申し込んだ。

 

ところが、22日にユニゾは、ローンスターと提携した従業員グループが@5,100で買収し、非公開とすると発表した。このEBOに伴い、現在のグループのすべての取締役、監査役執行役員全員が辞任することになる(理由は示されていない)(注)。

(注)12/24日経は、ユニゾの取締役の説明を紹介する。「事態を混乱させた責任と、経営陣の保身でないことを明確に示すためだ」と。

 

ここまでユニゾ買収が2転3転したのは、ユニゾの含み益(法人税控除後)を加えたNBVが@7,827するからである。EBOの@5,100に比べても@2,700高い(5割以上)。

 

取締役会は、@5,100の妥当性を速やかに公表すべきである。もし、従業員側が、新会社を例えば@6,500で売却したら、取締役会は株主にどんな弁明が出来るのか。

12/24日経は、優良不動産の切り売りで延命するのではなく、企業価値を高められるかが問われる、とノンビリしたコメントを出している。