初任給は上がっても、割を食うのは中高年

7/3日経「初任給上げ実施7割」「デジタル人材取り込み」「年功賃金見直し5割」。

 

初任給が上がるのは結構なことだが、その原資をどこからかと記事を読むと、企業の生み出す付加価値が高まったのではなく、中高年の賃金をカットしてひねり出しているのである。

 

1,000人以上の企業で働く40-44歳の男性社員の18年の平均年収726万円。08年比70万円減。

同45-49歳、50万円減。

同25-29歳、17万円増。

ROE経営万歳だね。差し引きで、人件費は大幅に減っている。

 

40代の人達は、年功序列賃金といわれて若いときは安い賃金に甘んじていたのに、そのツケを今になって払ってもらえなくなった。約束違いだと不満を持っても、いまさら高給の転職は出来ない。

 

こういう数字が出ると、いくつかの疑問は解消する。

・若者の安倍内閣支持率が高い

・消費税を上げると消費が低迷する

労働分配率が継続的に低下している

・2,000万円の老後資金への世間の反発

 

日経には、こういう役に立つ数字を伝えてもらうことを期待したい。失業率が記録的低さだと伝えられても、実感できるものではなかった。