両立しない主張を掲げる3/20日経社説 自由貿易VS 官製春闘

保護主義に反対できないG20では困る」では、自由貿易を最善のあり方と主張する。
「好循環をつくれぬ“官製春闘”」では企業に求められるのは、外部環境の変化を乗り越えて賃上げの原資となる収益を高める経営力だと述べる。

だが自由貿易が高度化すると、企業は世界中で最適な場所に立地するようになる。このことは先進国の賃金は途上国の賃金に収束していくプロセスが進むことになる。これは需要が縮小する日本にもっともあてはまる。
そのような環境下で、企業へ経営力を高めよとはっぱをかけても日本国内で収益力が高まることを保証するものではない。

企業が世界中何処にでも進出できる世の中では、自由貿易に少しブレーキをかけ、資本市場至上主義を改めることが必要である。
自由貿易とは、多国籍企業が巧みに作り上げた身勝手な貿易論であることにそろそろ気付いても良いのではないか。