企業の手元資金がさらに積み上がる

企業の手元資金が増えている。それをどう使うかは企業の自由だ。

8/1日経社説「企業は賃上げと成長投資も資金を回せ」は、前年度末の手元資金は112兆円に達し(前期比3兆円増)、今期はさらに積み上がる可能性が浮上していると伝える。
その使い道として、賃金と設備投資に振り向けよと日経は説教をたれる。

だが日本は社会主義国家じゃないからそんなことを言っても従う企業は出てこない。原因から解明しないといまと同じ状態がそのまま続く。

ではなぜ企業に資金がたまるようになったのか。それは企業が利益を計上しているから。企業が利益を計上するようになったことにはどんな要因があるか。
(1)法人税を引き下げた
(2)金融緩和で円高が是正され輸出企業が利益を出せるようになった
(3)ROEのキャンペーンで経営者が利益を出すことに取り組んだ

(1)法人税を引き下げる時、設備投資が増えて外資も日本へ進出して来ると宣伝していた。それは、いくつかあるシナリオの一番楽観的な見方であった。税の引き下げが効果をもたない以上これ以上の減税は止めなければならない。小池都政は金融都市を生み出すために減税特区をつくるといっているは愚の骨頂である。民に金が余って国には金がないときには国が吸収するようにしなければならない。
(2)現状が妥当な水準かもしれない。方向転換は難しい。是正の優先度は低い。
(3)ROEキャンペーンが一番の悪役かもしれない。ROE8%というハードルを下げれば企業から社員や取引先へ金が流れ出すのではないか。