安倍首相、共和党、イスラエル、議会演説、鳩山元首相

安倍首相は、4/26から5/3まで米を公式訪問し、27−30日のワシントン滞在中に米議会の上下両院合同会議での演説に臨む(3/24日経)。

共和党、親イスラエルの安倍首相はオバマ大統領との友好を深めることが出来るのか。

上下院合同会議での演説は、日本の首相にとって初めてのことである。
ところで米議会での演説は、上下院で多数派を占める共和党が主導する。近くは、3/3にイスラエルのネタニヤフ首相が米議会上下両院合同本会議で演説を行った。

このネタニヤフ首相の演説は、ベイナー下院議長からもイスラエル政府からもホワイトハウスに事前の相談や通知もなく決められたため、オバマ政権関係者らは外交儀礼に反するとして強い不快感を露わにした。しかも、演説はイランの核開発を巡って欧州各国と共に交渉を続けているオバマ政権を強く批判するもので、強固な同盟国であり、長い間の支援国であった国の議会での演説としては、かってない異例の内容であった。

安倍首相の議会演説は、共和党への働きかけで実現するのであろう。

安倍首相の行動を追っていくと、共和党は安倍首相の要請をただで聞いてやったのではなさそうである。

1/18と1/19にイスラエル訪問中の安倍首相はネタニヤフ首相と会談し、ISIL対策として,日本が総額2億ドルの新規支援を行う旨紹介した。
1月19日午後,安倍総理大臣は,同地訪問中のジョン・マケイン上院議員(軍事委員長)(共和)をはじめとする米連邦上院議員7名(コーカー議員(外交委員長)(共和),グラハム議員(共和),バラッソ議員(共和),ドネリー議員(民主),ケイン議員(民主)及びキング議員(無所属)他)による表敬を受けた。

ここから安倍首相、共和党イスラエルという関係が浮かび上がってくる。2億ドルは最終的にどう使われるのかはわからない。イスラム国は、1/20に日本政府に2億ドルを支払うよう要求した。おそらく、人道支援を名目とする2億ドルの趣旨を知っていたのであろう。湯川氏、後藤氏は、安倍首相の野望の前に捨石となった。

このような動きの中で、3月10日から12日までクリミアを訪問した鳩山元首相への全面的なバッシングがあった。鳩山氏は、既に国会議員を退き、民主党からも離れた、在野の私人である。彼の言動には何の制約もないのだが、政府が先頭に立って非難した。これは、安倍首相の訪米、議会演説が決まる微妙な時期に重なっていたため、政府として親ロシアの姿勢からは断固として距離をおく必要があったからであろう。それにしても、首相にも言論の自由があると言った安倍首相は、国民の言論の自由は制限されてもしょうがないと思っているのであろう。