新しい資本主義を真剣に検討せよ

成長と分配の好循環について、多くの論者特に日経は、小手先の分配=バラマキという理解に留まっている。成長と分配の好循環とは何かの理解を深めて、その経済的意義を問う必要がある。

 

バイデン政権は、2兆ドルの公共投資法案を可決した。財源はコロナ対策で計上した緊急予算の使い残し分などを充てる。これに先立って米国家族計画を提案している。ここで注目されるのは、財源を企業と富裕層への増税で賄おうとしていることである。

岸田首相の成長と分配の好循環には、このアメリカの潮流の影響を受けているのだろう。

日経などが恐れているのは、真剣に成長と分配の好循環を追求したならば、必ず企業と富裕層への増税がテーマとして浮上することである。だから、成長と分配を政府のバラマキと同一視して葬ろうとしている。

 

成長と分配の好循環とは、次のようなサイクルを想定しているのだろう。

企業と富裕層に10兆円の増税し、それを財源として低所得層への支援に充てる。企業は内部留保をため過ぎて投資しない、富裕層は資産をため込んで消費しない、他方、低所得層の消費性向は高い。眠っていたキャッシュが、確実に消費に向かう。経済的な制約から結婚できなかった人たちには経済的に結婚できるチャンスが出来て人口問題にも寄与する。非正規のセーフティネットを充実して、非正規でも安心して働けるようにする。

これらは政治がやる当然ことではないか。

恒久的にGDP の2%ほどが追加需要となって顕在する。

企業や富裕層は、稼ぎを分捕られるのではなく未来への投資と認識すべきである。ユニクロの売り上げは2割とか3割増えるのではないか。柳井正さんは大喜びだろう。

 

議論は、10兆円の増税が現実に可能か、制度設計をどう行うか、経済効果がどれだけあるかに絞られよう。

 

11/17日経Opinion「“新しい資本主義”論の軽さ」小竹洋之

一時的な現金給付や賃上げ促進の政策減税といった小手先の分配戦略に走っても、複雑さを増す資本主義の病巣にメスが入るとは思えない。株主第一主義の修正に動く企業との連携も念頭に置き、もっと骨太のビジョンを示すべきだろう。

 

 

 

感染状況:8/6累計感染者が百万人を超える。11/19 1,725千人 解除されても感染者が増えないのが今回の特徴。

 

月日

 

東京

全国(注)

1

1/7木

発令前日

2,447

7,570

2

1/13水

7府県追加前日

1,433

5,812

3

1/21金

発令日から2週間後

1,471

5,670

4

2/7日

最終日(延長される)

429

1,630

5

3/8月

最小感染者

116

660

6

3/21日

4都県再延長最終日

256

1,119

7

4/5日

解除2週間後

249

1,565

8

4/11日

まん延防止前日

421

2,843

9

4/25日

緊急事態宣言の発令

635

4,605

10

6/20日

緊急事態宣言最終日

376

1,308

11

7/12月

4回目の緊急事態宣言発令

502

1,506

12

8/2月

緊急事態宣言追加 3県1府

2,195

8,393

13

8/20金

緊急事態宣言の延長

5,405

25,876

14

8/27金

緊急事態宣言の追加

4,227

24,199

15

9/3金

参考、菅首相退任表明

2,539

16,738

16

9/13月

緊急事態宣言の延長

611

4,167

17

9/30木

緊急事態宣言、まん延防止の最終日

218

1,576

18

10/11月

最小、東京6/28/20の45以来

49

369

19

10/14木

解除から2週間後

62

619

20

10/18月

最小、

29

232

21

10/25月

最小 6/17/20以来

17

153

22

11/1月

最小、東京5/31/20以来

9

86

23

11/15月

最小、

7

79

24

11/19金

参考

16

159

(注)日経朝刊に記載された「国内での確認」