民主党惨敗、選挙結果の分析

比例区民主党への投票数から民主党惨敗の要因を分析する。
単位:百万票、%(表示以下を切り捨て)、5の()は未来を含めた数値。

- - 有権者 投票総数 投票率 獲得票数 獲得割合
2005年郵政選挙 102.9 69.5 67.5 21.0 30.2
2007年参院選 103.7 60.8 58.6 23.2 38.2
2009年政権交代選挙 103.9 70.3 67.6 29.8 42.4
2010年参院選 104.0 58.4 56.1 18.0 30.8
2012年大敗選挙 104.5 60.1 57.5  9.6(13.0)  16.0(21.6)

これまでは2005年郵政選挙の21百万票がコアな支持層の票数であると見られていた。2009年政権交代選挙では無党派層の票が8.8百万票上乗せされた。コアの21百万票を割ったのが、2010年の菅政権の下での参院選であった。それに3.11大震災への対応や野田政権での政治のあり方に対する不満が重なり9.6百万票に激減することになった。

2009年選挙から今回の選挙までの票数の落ち込みの粗粗の内訳は次のようになる。

- 選挙 票数 流出先
1 2009年の選挙で上積みされた票数 8.8 維新
2 2010年参院選で減ったコア支持層 3.0 棄権
3 今回未来へ流れた票数 3.4 未来
4 今回減ったコア支持層 5.0 棄権
- 2009年から減った票の合計 20.2 -

2010年選挙で割れないと思われていた21百万票を割ったことに民主党は真剣に向き合うべきであった。野田政権は菅政権よりまともにやっているという慢心があったのであろう。

今回の選挙の投票率は2009年選挙から10%ほど減った(票数で10.4百万票)。その内訳の多くは、民主党のコア支持層の政治離れによる8百万票(3.0+5.0)が占める。この層が今後民主党へ回帰するのか無党派層となるのかが注目である。回帰しない場合には、民主党の復活は望み薄である。加えて、馬鹿げたことに民主党は自らの復活を妨げる「定数削減」をマニフェストで約束しているのである。これは次の本コラム「野田首相の置き土産、民主党を破壊する爆弾」で述べる。