安倍抜き打ち解散と小泉郵政解散(05年8月)

安倍首相による抜き打ち解散を思うと郵政解散を思い起こす。
小泉首相は郵政法案を審議入りする前から否決されれば解散すると明言していた。政治の道筋は万人に明らかにされていた。
これに比べると安倍首相の解散は、今回に限らず何を考えているのだろうと思わせるものが見え隠れする。14年選挙ではアベノミクスを唱えながら、選挙が終わるや安保法制一色になってしまった。信用できない。

国会で議論が尽くされ、こう着してどうしようもならなくなったので、国民の意見を聞くのなら有権者は判断できる。一度も国会で議論されていないテーマや自民党内で議論もされていないことが安倍政権の政権公約になるのでは、有権者は何が問題なのかわからない。

自民党の主な公約;
アベノミクス加速
・消費増税と使途の変更
北朝鮮への対応
憲法改正自衛隊の9条への書き込み

特に政権公約北朝鮮問題を掲げるのは理解できない。国民は外交や軍事の機微は知らないし、知らされていない。選挙に勝てば白地小切手をもらったと吹聴するのが安倍政権である。すべての選択肢がテーブルの上にあることを評価した安倍首相は、政権公約の実行としての朝鮮半島での軍事行動を行なうのであろう。

小泉氏は陽気な明の人、安倍首相は腹黒の暗の人。

10/4日経経済教室「衆院選の争点を探る、上」野中尚人・学習院大学教授は安倍解散の問題点を要領よくまとめている。野中教授は北朝鮮問題はポピュリズム政治の典型であると指摘している。