米朝首脳会談へのマスコミの評価と日本政府の怠っていたこと

6/12米朝首脳は共同声明に署名した。
具体的でないとか、時間稼ぎ懸念、などあまり肯定的な評価は見られない。それは各社の見方であろうが、目に付くのは、北へのネガティブ・キャンペーンが繰り返されていることである。曰く、うそつきである、約束を反故にする、と。6/13日経でも、社説で「忘れてはならないのは、北朝鮮が過去に何度も約束を破ってきたことだ」とか、特集記事で「過去の非核化の失敗は、北朝鮮が見せかけの合意を交わして核開発にまい進した」と述べる。祖父や父の時代から北は変わっていないと論じるのは時代錯誤である。首脳同士の初の合意であることは、故意にか、無視されている。
今回の共同声明は米・朝の合意である。米がだまされるかどうかは米次第のことである。日本は蚊帳の外にいるのだから心配してもしょうがない。

米・朝のことを心配する前に当事者としての日本が過去を振り返らなければならないのは、発足して5年以上がたった安倍政権の下で拉致問題、日朝外交が全く進展しなかったことである。これは日本政府の外交政策であり、日本政府に管理可能な事案であった。日経は拉致問題と日朝外交についてなぜ進展しなかったかの特集を組んでもらえれば、これからの確かな道標になるだろう。

追加
WSJの紹介する珍説
6/13WSJ  President Trump offered this reason why his diplomacy will succeed where others failed: “This is a much different time, and this is a much different president.”

金委員長は「ここまで来るのは容易ではなかった。過去が足かせとなっていたが、われわれは全てを克服しここに来ることができた」と語った。
これは、北の国内でも意見の相違が多かったということなのだろうか。今の時点では解説は見当たらない。