日本の自動車業界はEV転換で生き残れるか

製品コンセプトが大転換した時に日本企業は上手く対応できていないことがある。
トヨタはNo1の自動車メーカーだが、EV化で取り残されれば今の地位を保てない。
トヨタが敗者になることは想像し難いが、過去を振り返ればあり得ない話ではない。

卑近な例としてTVを取り上げてみよう。
ブラウン管TVの時代に日本企業は世界市場を席巻した。次世代の薄型TVになって、最初は市場を先導していたが、次第に韓国勢などに地位を奪われていった。
薄型TVの中でも液晶とプラズマの戦いがあったが、プラズマが敗れ、その結果パナソニックに大きな損失をもたらした。液晶勢も、シャープ、ソニー、日立などが企業の存続を危うくするほどの損失を計上し、撤退することになった。

同じことが、トヨタ、日産、本田にも起こるのだろうか。市場規模で考えれば中国が1位、アメリカが2位、EUが3位で、日本はそれ以下である。日本勢はよほど工夫して大市場に切り込まないと、EVの覇者にはなれない。
また日本で開発が先行するFCVは、液晶とプラズマの戦いのように、モーターで動かすというEVと同じコンセプトの車なので、どちらかが駆逐されることになろう。
今週号の東洋経済とダイヤモンドは期せずしてEVを特集して、国内メーカーに警鐘を鳴らしている。