岩田規久男日銀副総裁は辞職するか

日銀が9/21に発表した総括的な検証と新たな枠組みは今後どのような影響をもたらすのか。

総括的検証では原油価格下落などを物価目標を達成できなかった理由に掲げる。
新たな枠組みは長期金利を0%に誘導し、長短金利差を操作することとしている。

日銀の新たな枠組みによって物価が上昇して経済の好循環が動き出すかは不透明だが、岩田副総裁が辞任するのは確かではないだろうか。
今回の総括的検証と新たな枠組みによって岩田氏の主張は、思想面でも実践面でも全面的に否定されたのであるから。

思想面では金融緩和でデフレ脱却が実現するという考え方は否定された。
実践面でも金利操作を主体にすることから、長期債市場の動向によっては日銀が国債を放出する(テーパリング)こともありうる。メディアが金融緩和を継続と報じるのは不可解だ。

岩田副総裁は2013年3月5日国会での所信聴取に臨み、2%の物価目標の達成について日銀が全面的に責任を持つ必要があるとした上で、今後2年間で目標を達成できない場合は辞職する意向を示した(その後否定したけれども)。日銀で身の置き場を無くした岩田氏は、武士のような潔さを漂わしていて地位に固執する事は考えにくい。