規律正しく、合理的に考え行動するドイツ人でも強欲には勝てない。

ギリシャ、難民、VW の問題の当事者にはドイツが中心的当事者になっている。その根っこにはドイツ人の強欲。彼らも人の子、日本人やアメリカ人とは変わりはない。

このことは、規制緩和補助金行政に反省を促す。ズルをする人たちをのさばらせたり、補助金を与えることは、必ずその恩恵を得ようとする悪賢い人が出てくる。真面目にイノベーションを起こそうとする人たちの芽を摘んでしまう。

岩盤規制突破などと浮かれないで、分野によっては岩盤規制をもっと頑丈にすることが必要だ。岩盤規制を突破した先に、ずる賢い人が追いつけない本物のイノベーションが展開するかもしれない。そんな例はいくつもある。


VWの不正問題は2010年から2015年の夏までの4年半。
全世界の対象車が11百万台。これに対して引き当て€65億を計上した。「技術的な措置」であるので、エンジンの改造コストであろう。一台当たり€600。
これに対し、アメリEPAは対象車482千台に最大$180億の課徴金を見積もる。一台当たり$37千。これは車一台分以上だ。アメリカ外に広まれば、大変な事になる。

深刻なのは、ジーゼルエンジン技術が無効化され、VWの技術基盤が失われることだ。そうなると、VWは量産技術だけを持つただの車作りメーカーに凋落する。今後が見ものである。


トヨタなどがVW株に連れ安するのはなぜだろう。私は、絶好のチャンスで暴騰すると思っていたのだが、そうはなっていない。何か気になる事があるのだろうか。
スズキはVWの開発力に疑いを持って縁を切ったのだろう。良い判断だった。VW株を売るタイミングを逸したのは、止むを得ない。