羽生選手は競技を中止すべきであった

スケート観戦者が羽生選手に期待するのは最高の演技を極め、それを持続させることである。羽生選手もそのために精進している。

羽生選手はフリーの直前練習の時に他選手と衝突して倒れた。彼は数分氷上に横たわっていたが、自力で立ち上がりオーサーコーチのもとへ戻り、コーチと協議の上演技を続行することにした。

この結果について「不屈の2位」(11/9日経)と根性を称える報道はどうなのか。「無謀」とたしなめるのが大人の見識ではなかったか。


彼には自己の記録を向上させ、観客に最高の演技を見せる義務がある。あの時彼の頭は冷静に状況を判断して進退を決める状態にはなかったはずだ。ただアスリートとしての本能が演技をさせた。

2010バンクーバーオリンピックで織田選手が靴紐が切れて競技を中断した出来事があった。そのとき彼は頭にダメージがなかったので、何をすべきか最善の判断を下せた。

ルールを見直し、競技の続行をダメージを受けた競技者の判断に委ねるのではなく、周りにいるコーチや審判が決めるようにすべきであろう。
例えば、ボクシングではセコンドがタオルを投げ入れたり、レフリーが中止を決めることができる。

2014/11/9付日本経済新聞 朝刊
羽生負傷、不屈の2位 直前に中国選手と激突
フィギュアGP中国杯

 【上海=共同】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯最終日は8日、上海で行われ、男子で今季初戦だったソチ冬季五輪金メダリストの羽生結弦(ANA)は合計237.55点で2位だった。

 ショートプログラム(SP)2位の羽生はフリーの直前練習で閻涵(中国)と激突。治療を受けて強行出場し、ジャンプで5度転倒したが滑りきった。マキシム・コフトゥン(ロシア)が243.34点で優勝。田中刑…