5/25日経・経済教室 日本経済研究センター・短期予測

5/25日経・経済教室 日本経済研究センター・短期予測「減速も緩やかな成長続く」「政策効果の反動懸念」「輸出、設備・住宅投資下支え」
日本経済研究センター主任研究員・愛宕伸康氏
ポイント
・ 海外経済は年度後半に向けて着実に拡大へ
エコカー補助金で自動車販売の振れ大きく
過剰流動性国債や商品市況に波乱リスク

「短期予測」は年度後半に民間最終消費支出が減少に転じる可能性の高いとみられる事や復興予算執行の反動はあるものの、輸出、設備投資、住宅投資が下支えとなり実質成長率は緩やかな伸びを続けると見ている。

リスク要因として次の2点を掲げる。
1. 欧州債務問題の行方
2. エコカー補助金効果の反動減の大きさ

注目すべきは2のエコカー補助金の反動減である。次のように指摘している。

図(*)からもわかるように、かえって売り上げの触れ幅を拡大させる結果になっている。企業は売り上げが振れるほど、設備投資を削減するとの研究報告もある。「家電エコポイント」や「地デジ」の反動が家電業界を苦しめる結果となったことも記憶に新しい。政策が企業の事業リスクを高めることになっては、本末転倒である。

(*)自動車販売台数の年度ごとのトレンド図。補助金が販売トレンドからの振れを大きくしていることが鮮明に読み取れる。