4/27 日銀の追加金融緩和 基金枠70兆円 回復経路にありながら

4/27 日銀・金融政策会合「基金を5兆円増やし、総額70兆円とする追加金融緩和を全員一致で決めた」
4/28日経では、日銀は展望レポートでは「2012年度前半には緩やかな回復経路に復していく」「13年度は潜在成長率をはっきりと上回る」という認識であった。にもかかわらず、金融緩和に踏み切った。
それに対する白川総裁の回答。

問:足元の経済・物価情勢が下ぶれしていない中で追加の金融緩和を決めた理由は。
答:景気が上振れしている時に緩和を強化する例はあまりないが、過去にもないわけではない。物価安定のもとでの持続的成長経路に復する蓋然性は高いと考えている。蓋然性をより確実なものにしたいというのが我々の判断だ。経済や物価の面で起きている良いモメンタム(勢い)を大事に育てたい。
問:物価の見通しを出すたびに金融緩和をすると考える人も出てくるのではないか。
答:もちろん、毎月、それをやっていくということではない。大事なことは、大きな流れとしてどういう方向に向かっているかだ。景気・物価の展開や金融政策の効果を冷静に、じっくりと見極めたい。

基金の70兆円は、2013年6月末を目処に完了するという。中長期的な物価安定のめどである1%に遠からず達する可能性が高いという。
足元の消費者物価は電気代やガソリン代の上昇でCPIは上向きだ。物価上昇が電気代やガソリン代の上昇というのは政策の失敗の帰結である。悪い物価の上昇である。
日銀総裁ハムレットのような立場に居られるのだろう。

電気代やガソリン価格上昇で消費者物価(コアCPI)は2カ月連続で上昇 - 12/04/27 | 10:49
 総務省が4月27日に発表した2012年3月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)が100.0、前年同月比で0.2%上昇し2カ月連続でのプラス、前月比では0.5%のプラスとなった。生鮮食品も含む総合指数では前年同月比プラス0.5%(指数100.3)だった。しかし、欧米がコアCPIとして採用している「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数」は、同マイナス0.5%(指数98.8)となり、新基準では2009年1月からマイナスが続いている。