9/5/11月 日経一面コラム「野田政権2 日本再生 今度こそ」

9/5/11月の一面コラム「野田政権2 日本再生 今度こそ」編集委員 実哲也氏

最近日経のコラムがつまらなくなってきた。見方が教条主義的になって、柔軟に現実を直視せんとするクオリティ経済紙としての見識が落ちてきているからだ。

本コラムは、「経済成長と財政再建の両立」、「増税反増税かといった不毛な政治論争に終止符を打つことが求められる」として、野田政権に対し「税と社会保障制度の一体的な改革を2010年代半ばに実現する道筋を確実につけておくこと」を求めている。

どうして「増税反増税かといった不毛な政治論争」なのか。これこそ、財政論者と経済学者が真剣に議論すべきアカデミックな分野であろう。これは不毛な論争ではない。論理的にことは決するはずだ。クオリティ経済紙を自負するのであれば、財政論者と経済学者のアカデミックな論争の場を提供されることを望みたい。

このコラムのサブ・タイトルに「成長と財政両立 連携を」とあるが、優先順位をつけなければ実行指針とはならないだろう。今年後半の可能性として海外の経済情勢が落ち込んだとき、二兎を追えるのだろうか。多分、経済対策が打ち出される。その時に政策のブレをなくすためには、事前の数値上のガイダンスが必要であろう。例えば、マイナス成長のときは増税は控えるとか。勇ましいスローガンもよいが、先を見通した提言を出してほしい。

そういえば数日前に日本の実質金利は高いという変な記事が一面に出ていました。