日韓協定は「完全かつ最終的に解決された」のか 北と南はいつか統一する
安倍政権は日韓請求権協定を理由に韓国に対し誠実な対応を促す。だが日韓協定は未来永劫の真理なのか。
日韓協定 第二条は次のように定める。
両国は請求権問題が完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する
日韓協定は北と南の分断が固定され、北と日本の国交回復が実現しないのなら有効であろう。
だが、長いスパンで考えれば、北と南は何時か統一する(注)。そうなる前に、日本と北が国交回復するかもしれない。
そうなると、北にも慰安婦や徴用工はいるから、彼らへの賠償が課題となる。
北の慰安婦や徴用工への賠償が決まると、南の慰安婦と徴用工への賠償もそれにならって見直されることになろう。
(注)文大統領は、15日の光復節演説で、2045年に統一を目指す構想を披露した(8/16日経夕刊)。
日本政府は、「完全かつ最終的」な解決の見直しを南に申し入れることになる。
一時の解決を金科玉条とするのは、視野の狭い了見である。
8/15日経「日韓の対立、解消の処方箋」で、元韓国大使の小倉和夫氏は、「真の転機は日朝正常化」「その際には、元徴用工を含めた過去のすべての問題を朝鮮半島全体でもう一度取り上げ、再清算しなければならないからだ」と述べている。