自動運転の進歩

自動運転というと、運転の技術や車そのものが話題になることが多いが、社会システムとしてどのように社会に定着させるかということはあまり語られてこなかった。

3/8日経経済教室「自動運転の未来と課題」鎌田実・東大教授「完全実現へ技術の壁高く」「産学連携で欧米に先行を」
・当面の市販車想定は部分的な運転自動化
・海外では車の運転から完全解放めざす
・住宅地・山間地対応、技術面など課題山積

鎌田教授が個人的に考えている二つのこと。
離島で全部自動運転車に切り替えるというのは面白いアイディアですね。トヨタ、日産、本田を巻き込んで世界初のプロジェクトを進めたら最先端に躍り出るかも。

1. 自動運転はハイテクばかりではないということ。
輪島商工会議所はゴルフカートを街中移動に使いたいと考え、GCの公道走行を2年間実施し、昨年11月から一部ルートで自動運転を始めた。GCは電磁誘導線に沿って動かすもので、運転手つきのレベル2だ。
2. 自動運転というと動かす技術に注目しがちだが、車が全部自動になると人の生活がどう変わるのかという社会学や心理学的な観点からの研究も進めたい。
外と隔離された離島などで、数十台規模の保有台数であれば全部を一気に自動化して、生活の質がどうなるかを観察する。時速20キロメートル程度ならば今の技術で十分可能であるうえ、小さな島ならば低速化による影響もさほど大きくならないはずだ。もちろん変化を受け入れてくれる地域がなければ話は始まらないが、そうしたビッグプロジェクトを世界に先駆けて進めることも大切だと思う。

最後に、自動運転は遠い将来の夢物語的に語られてきたが、最近の動きは急だ。各所での取り組みを期待したい、と締めくくる。