日経社説「人工知能を生かして日本の活力に」に思う

本日の社説に表題のテーマが論じられている。
その中で、自動翻訳のテーマが取り上げられている。

「自動翻訳の技術が進むと、電話のこちら側で日本語を話せば、向こうでは自動的に英語に訳されて、外国人とストレスなく会話できる時代が来るかもしれない」と。

アルファ碁の活躍を見ると、実用化されるのは意外に早いかもしれない。

自動翻訳が実用化されると、今やっている英語の早期教育は必要なのか。おそらく不完全な英語を習っただけで、自動翻訳に頼る人が続出するのではないだろうか。

自動翻訳が実用化される時代に必要なのは、1.日本語を翻訳しやすい言語に作り変える、2.日本人が翻訳し易い日本語を使いこなせるようになる、ことが必要であろう。

1. 日本語は言語として不完全である。最大の欠点は主語なしで文章が成立することである。例えば、「学校へ行きます」は誰が行くのかわからない。前後の文脈を読んで判断しなければならない。この文章で「私は」と主語を入れれば、簡単に英語に翻訳できる。主語、述語、目的語を明確にした日本語を使うようにすべきであろう。今の日本語は美しい大和言葉という人は、過去の人になろう。
2. 明確な日本語が出来上がれば、次にはその日本語を日本人が使いこなすことである。学校教育は日本語を充実させ、英語教育は本当に必要になる人にだけ行えばよくなる。この方がはるかに学習効率が上がることは直感的にわかる。それによって日本人の生産性も向上する。

自動翻訳で日本人の最大の優位は、日本語から外国語への翻訳である。グーグルが英語から日本語への翻訳で優位に立っても、日本語から英語への翻訳は苦労しそうである。日本語を母国語とする日本人には日本語から外国語への翻訳は易しい。

その優位を保つためにも、日本語を文法としてしっかりしたものに作り変えることが必要と思われる。