GPIF(7-9月期)7.8兆円の損失

過去5年間の利益で十分に吸収できる金額であると思えるものの、気がかりな点は日経などメディアはこの損失発生の理由をフォローしてない点である。年金財政に一家言有ると自負する日経が沈黙しているのは解せない。
運用に問題はなかったのか、ポートフォリオ変更はリスクの取り過ぎだったのか、政治の介入はなかったのか、損益のブレは想定される範囲内なのか等読者の知りたいポイントは多い。

「年金って、いまどうなっているの」http://think-nenkin.jp/asset_manage/
から
年度 損益(兆円)
22年度 -0.3
23年度 2.5
24年度 11.1
25年度 10.1
26年度 15.2
27年度(4-6月) 2.6

11/30ロイター
http://jp.reuters.com/article/2015/11/30/gpif-jp-idJPKBN0TJ0ND20151130?rpc=188
[東京 30日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は30日、2015年7―9月の運用損失が7兆8899億円だったと発表した。世界的な株安の影響で利回りは5.59%のマイナスとなり、安倍内閣が主導した昨年10月の運用改革後、初めての赤字に陥った。年金資産の積立金は135兆1087億円と、過去最大に膨らんだ6月末の141兆1209億円からおよそ6兆円減少した。

GPIFの運用損益が赤字となったのは6・四半期ぶり。中国や新興国経済に対する不安の高まりが今年8月に世界的な株安を招き、国内外の株式運用が振るわなかった。

資産ごとの運用損失は国内株式が4兆3154億円(利回りはマイナス12.78%)、外国株式が3兆6552億円(同10.97%)、外国債券が2408億円(同1.26%)と、運用見直しで比重を高めた3資産がいずれもマイナス運用だった。逆に、国内債券で3022億円(利回りは0.60%)を稼いだ。

年金特別会計保有する短期資産について、厚生労働省は9月末の時点で4兆2000億円としており、GPIFは6月末から国内債券を6800億円程度減らす一方、国内株式を3700億円程度、外国債券を3500億円程度、外国株式を1兆6600億円程度買い増ししたもようだ。

9月末の年金積立金全体に占める保有資産割合は国内債券38.95%、国内株式21.35%、外国債券13.60%、外国株式21.64%となった。

<10月以降は回復か>

四半期ベースでみると、今回の赤字額はリーマン・ショックに伴う金融危機で生じた08年10―12月の損失5兆7398億円を上回る規模だ。

GPIFは、昨年10月末から国内外の株式運用を増やした。現在は国内債券35%(以前は60%)、国内株式25%(同12%)、外国債券15%(同11%)、外国株式25%(同12%)とする運用割合を基本に、改革後の収益の積み上げは6月末までに12兆0967億円に上ったが、7―9月の株安でその6割を失った計算になる。