日本社会の不思議 ; デジタル化にアナログが入り込む不便さ

ワクチンの接種券を4/23ごろまでに発送するそうだ。接種券をもらうと、指定された医療機関に電話をかけ予約する。電話を受けた医療機関は、手作業で予約者を集計し、在庫を確認し足りなければ発注し、医療担当者を手配する。キャンセルが出ると、予約待ちから接種者を選ばなければならない。手間のかかるのは問診であるという。みんなアナログの仕事だ。

 

この国では、デジタル化と号令をかけても、その途中でアナログが入るので、少しも便利にならず、不便さが残る。苦境にある日本郵政を支援するため、アナログの仕事をつくっているのではないかとすら思わせる。

マイナンバー・カードも、郵送で通知が送られ、役所に電話か郵送で予約して実際に取りに行かなければならない。

 

政府は新しい制度を導入するとき、国民の手間や負担がどれだけ増えるのか、これまでよりどれだけ減らせるかをコスト計算して、政策効果を見るべきだろう。

デジタル化の目的を、利用者視点で役所への来庁者半減、滞在時間半減、地方と国のシステム統合でシステム投資の半減を打ち出したらどうか。

 

マイナンバー・カード普及に巨額の国費を投入(注)して固執する愚から脱却して(16年に導入され、今年2/1でようやく25%に普及)、カード無しでスマホやPCでもマイナサイトにアクセスできるようにしたら利用者は急増するだろう。ワクチンの予約もそれで完結する。国民の半分でもスマホやPCからアクセスするようになれば、画期的な効果が出てくる。

(注)12/20/19日経:政府の2020年度予算案では、マイナンバーカードの保有者にポイント(マイナポイント)を付与する新制度に2458億円を充てることになった。カードの交付にかかる事務費用の補助などに1365億円を充てる。合計で約4,000憶円。

 

3/3日経大機小機「ワクチン接種こそ景気対策」追分

心配なのはワクチン接種体制である。

円滑なワクチン接種に菅内閣の命運がかかっているぐらいの覚悟で取り組んでほしい。